鼻腔拡張テープ
あー!気になる気になる気になる!
どーしても鼻の詰まりが気になるの! 気にならないときは全く大丈夫なのに今は無性に意識してしまう!
これは身体の機能としてどうしようもないことだと分かっていても、だ。ティッシュで鼻をかんでも、片方の鼻を摘まんでみてもだ。こんな姿は花も恥じらう乙女のする事では断じて、無い!
しかし気になるモノは気になる。そんな夜はもう寝てしまうに限る。そして朝を迎えてこんなストレルフルなことは私の記憶から追い出してしまおう。そのために秘密兵器「エーザイ ブリーズライト」を使う……!
この秘密兵器さえあれば寝付くまでの鼻の詰まりともおさらば! 快適でクールな安眠が私を待っている。
あとはアロマディフューザーを点けて、加湿器点けて、お休み手袋して準備完了!
それではおやすみなさい。
「エーザイ ブリーズライト」
眠ることで、明日の私は完璧になるのだ。
手帳
23:59
一日の終わり。そして明日の始まり。
机の上に開いて置いた手帳の今日の予定だったページ、そこに対角線に×印を書き入れる。それがここしばらくやっている習慣。
人の一生なんてもの、まだ青臭い私には遥か遠くの対岸が見えない橋のようなモノにしか思えない。老後なんて霧の先の話。
だから、私自身に分かりやすい形を探した。それが残りの私の残機数。
一日ごとに私は無くなり、今までの記憶を持って新しい私が明日を過ごす。そんなゲームのようなお話。
残りの残機数は二万三千七百四十一。でもこれは何事もなく生を終えた時のみの数字。何かあればこの数値は減少するし、予想もつかないバグで変わったりするかもしれない。そんな不安定なモノ。
まだゲームのような残機数でいったいどんなことが出来るんだろうか。いや、何をしていこうか。
残り、二万三千七百四十。
さようなら昨日の私、よろしく。今日の私。
「CITTA手帳2019度版10月始まり [並行輸入品] (マゼンタ)」
限りがあるから、未だ来ないコトを思考し追求する。
バイクヘルメット
夜も深まった時間の最中、静まりきった道路をバイクで駆けていく音とエンジンの振動が身体に伝わってくる。
最近、仕事で嫌なことがあったときはいつもコレだ。休みの前日に夜中の公道をただ乗ることが俺のストレス発散手段であった。
夜中の道路は良い。昼間の通勤とは違って走行している車の数も少ないく人もほとんど居ないから断然走りやすい。ただ走らせることに集中することが出来る。
先の交差点の赤信号を確認してから速度をだんだんと緩め、止める。
もう走り始めて三十分は経つだろうか。時間が経つのは早い。楽しんでいるときは何故こんなにも過ぎ去っていくのだ。そしてその時間が日々のもやもやしたことを全て流していく様に思える。
静かな空間、ただアイドリングしているエンジン音とたまに目の前を通過していく車の走行音を聴きながら物思いにふける。この時間が堪らない。
よし……もう少し走ろう。
信号が青に変わった。
「マルシン工業 マルシン(MARUSHIN) バイクヘルメット フルフェイス M930 ブラック フリーサイズ(57~60CM)」
この時間だけの、味わい。
マイク
『みなさんどうもどうもー。初めての人はお初です。〇〇と申します。さ、今日の分を始めるよ。』
今回ので僕が動画をアップロードし始めて四回目。まだまだひよっこだ。再生回数なんて両手で数えられるほどだしね。
今投稿しているモノはゲームとかの実況モノで、所謂実況動画って呼ばれてるやつ。ゲーム自体は比較的有名なやつで見てくれる層もそれなりにいるはずだ。まぁそれと僕の動画見てくれるかは別問題だけど。
問題はそれよりも僕自身だ。動画投稿するからには僕自身に何かしらの価値を付けなければいけないと思う。声一つでも発声、考え方、リアクションとか。
ある意味で僕は動画というモノを売り出しているのだ。売るための資本は僕だし、プロデュースも僕。
だから色々なことを試すのだ。始めたこの動画投稿でもっと色んな動画を撮るだろう。そして投稿するまでに様々な経験があるはずだ。
僕はそのために続けるだろう。ファンを手に入れるまでは。
「SONY エレクトレットコンデンサーマイクロホン PCV80U ECM-PCV80U」
様々な経験も、原点にはきっと気持ちがある。
スーツケース
スーツケースを牽いて歩いていく人達がちらほらと目に入る。いったいどこから来たのだろうか。そんなことを思う。
私の住んでるところは観光地と呼ばれる地域にほど近くで人の密度がとても高い。友達からは羨ましがられるけど人が多すぎてかなり面倒だと私は思う。っとと、話が逸れた。
スーツケースを持ち運んでる人を見るとね、こう考えちゃうの。どこから来たんだろう。いや、これからどこかへ行くのかもしれない。はたまた、全く違う用途に使うのかもしれない。
目的が旅行なのだったら、その人たちはその旅行先に何らかの魅力を感じて行っているのには間違いないだろう。
どんなところに魅力を感じたのか、なにをしに来たのか。そんなことをふと考えてしまう。観光地のすぐ近くに住んでる私には感じることの出来ないナニカを彼らは感じているのだから。
私もどこかへ旅行してみようかな。
そうして、その旅行先の魅力を見知らぬ誰かに、どこから来たのだろうって思われたいな。
「ティーアンドエス スーツケース キャリーケース キャリーバッグ 安心1年保証 機内持ち込みサイズから ファスナー 傷が目立ちにくい TSAロック ハードキャリー 拡張 ジッパー 全サイズ 有り」
近くのモノほど私たちは鈍感だ。だから、見知らぬ遠くへ行こう。
ジャム
『子ども達へ……寝坊しちゃったからご飯は適当に食べて行ってね!by母』
朝、朝食を求めてキッチンへ向かったらこんな書置きが残してあった。そして、そのままテーブルの方へ目を向ける。
「おーっす、弟。今日は起きるのが遅かったじゃないか」
兄貴が既に朝食をもっしゃもっしゃと食べ始めていた。テーブルの上にあるのは焼いた食パンとジャムの瓶のみ。実にずぼらである。まぁ俺も大して変わらないけど。
だが、問題はそこではない。問題なのはテーブルの上にあるパンの御供の方なのだ。俺の朝パンのマイフェイバリットであるいちごジャムはたしか昨日の朝のときには残りが少なくなってたはず。そして、テーブルの上には空の瓶と赤いナニカが乗ったパンをモシャる兄貴。嫌な予感がした。
すぐさま冷蔵庫の中を調べる。しかし、無い。あるべきはずのモノがそこには無かった。
「ん? イチゴ探してるのか? 昨日で残り少なかったもんなー」
そう言いながらまだ半分以上ある赤く塗られたパンを食べる手は休めない。叩いてやろうか。
「……他に何がある?」
「バターとブルーベリーとピーナッツと……あとお前が見た方が早いだろ」
どれも圧倒的に甘さが足りない。俺の朝はあの甘さによって迎えられるというのに。……仕方ない、バターにするか。
「ごちそうさんー。しかし、朝から甘いモノはたまにはいいかもなー」
最後の一口を食べ終えた兄貴はそう言ってリビングを出て行った。
(……今日の夜、スマブラで叩き潰す)
バターを塗る。どこか物足りない味を感じながら朝食を済ませる。
メールで母にイチゴジャムを二つ分頼んだ。
それは、時に諍いの始まり。
エチケットカッター
ただ話すことに集中できる。これだけの事がすごく幸せに感じる。
今までは違った。私は常に何かに怯えていた。不安になっていた。誰かと話していても真っ直ぐに目を見ることは出来なかったし、笑い方もどこか変だったかもしれない。
きっと私は視線を怖がっていたんだろう。私の心の中の誰かの目を恐れていた。
けど、今は違う。すごく晴れやかな気持ちなの。
相手の目をちゃんと見て話すことが出来るし、素直に笑うことも出来る。それだけの事なんだけど前よりも少しだけ明るくなったと思う。周りの知り合いからもそう言ってもらえた。
その答えはきっと、私に少しばかりの自信が出来たから。心の中の誰かを気にしなくて済むようになったから。これからも私は気に病むことは無いだろう。この私の中に出来たまだ小さな小さな気持ちがある限りは。
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身体の変化以上に、心の変化はきっと大事だ。