おはなしコマーシャル

おはなしにコマーシャルをくっつけたら、もっと素敵になりました

コーヒー

 お、やっと来たなー。10分の遅刻だぞ。さ、入って入って。話は中で聞くよ。

 笑いながら彼女はそう言って私を部屋へ招いてくれた。彼女の家に来るのは初めてで若干の緊張。一瞬の躊躇いを振り切り、先ほどより体感的に重くなった足をを進めていく。

 そこらへんで座って待っててねー。飲み物は……コーヒーでも良い?実は分量間違えちゃって作り過ぎたんだよね……。

 しっかり頷いて答える。むしろ好きなほうだから問題ない。ブラックは苦手だけど。

 ありがとー!助かるよ!今持ってくるから待ってて。

 彼女はそのままキッチンの傍にある機械の中からポッドを取り出して中の暖かそうな黒い液体をコップに注いでいく。コーヒーメイカーだろうか、彼女が持ってるとは意外な一面な気がする。

 そんなにじっと見てこれ珍しい?最近ハマって勢いで買っちゃったんだよねー。はい、はいどうぞ。スティックシュガーとクリープしか無いけどそこは頑張ってくれ!

 ありがとう、と返してどちらも一つずつ入れていく。そして一口。新鮮な苦みとほのかな甘みが心地良い。

 ――さて、そろそろ借りてきた映画を消化していきましょ。今日は祭りだよ~!

 力強く頷く。今日はまだ始まったばかりだ。

 

「ZOJIRUSHI コーヒーメイカー 珈琲通/EC-TC40」

 始まりに、休憩に、終わりに。きっとどこかで欲しくなる。