おはなしコマーシャル

おはなしにコマーシャルをくっつけたら、もっと素敵になりました

明かり

 あ、明かりないと眠れないから持ってきたやつ使ってもいい?……ん、ありがと。

 そういって彼は自分のバッグの中を探し始めた。今日は久しぶりに連休が彼と重なったので急遽決まったプチ旅行だ。で、その夜のホテルである。私は別に明かりがあろうと無かろうだ。どちらかというと枕のが気になる……。

 お互いのベッドの間にあるミニテーブルに置かれたのはどう見ても「猫」であった。

 いや、猫型のランプなのだろうがそれにしても可愛い外見をしている。そしてケーブルらしきものは見当たらない。問うてみたところ、どうやら充電式で不要らしい。最近のはすごいな……。

 何を思ったのか彼はいきなりソレを軽く叩いた。ナニヲシテイルンダ、と言おうとした瞬間部屋が一気に明るくなる。彼は明るすぎるな。とだけ呟き再び軽く叩き始めた。

 ……どうやら振動か何かを感知して光度を変えているらしい。びっくり損である。

 部屋に淡い光を差している猫型ライト、というものは見れば見るほど不思議な気分にさせてくる。普段機能的にしか使わない明かりが形を変えるだけでこうも印象が変わるとは……。

 とりあえず、朝一番にこの猫ライトのこと聞こう。ソレを見つめて、そんなことを考えながら私は眠りについた。

 

 「ZNT 萌えニャンコ呼吸ランプ ベッドサイド イル ミネーションライト 24連続照明 間接照明 猫ランプZNT-C101」

 部屋に陽だまりを、陽だまりには猫を。