炊飯器
結局のところ、食べている姿が好きなのだ――
朝というには少し早い時間、目覚ましによって夢から覚醒する。眠気の誘惑に惑わされながら服を着替える。大体着替え終えた頃には眠気はほとんど無くなっているがダメ押しとばかりに顔を洗う、これで戦闘準備は完了。
キッチンに降り立ち、時間を確認。いつもより五分オーバー。しかし焦ることは無い、こちらが多少遅れたところで後の面子も遅れるので問題ない。
最初に降りてくるのは我が家の大黒柱歴十五年になる男。思春期の娘との距離を把握しかねている哀れな父親である。息子との仲は普通らしい。
次にやってくるのが長女。高校に通う普通のJKというやつだ。最近彼氏が出来たようで化粧の気合が変わってきているのだがうちの男衆はそれに気づいているのだろうか?
そして最後に息子。娘とは姉弟なので下である。朝が弱く寝坊助野郎なため三日に一回は叩き起こすのだが今日は珍しく自力で起きてきたようだ。
ほーら全員さっさと飯食って持ち場に行け~! こっちもそれが終わったら回してある洗濯物干してパートあるんだからさ!
のほほんと他愛のない会話(父対娘のみ冷戦)をしながら朝ごはんを消費している輩どもに発破をかけながらそれを見守る。
この風景を見るのはもう慣れてしまった。けど、時間が許すならもう少しだけ続いてほしいものだ。
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ステレオタイプな朝の一風景。