ボードゲーム
「ここで……どうだい!」
「はいはい、ここに置くよ~」
「ぅぐっ!」
昼下がりの休日に私は絶体絶命のピンチを堪えていた。私を追い詰めているのは大学時代の友人だ。今は私の敗北の一歩手前に追い込んでいるのだけれどもね。
今日は久しぶりに社会人になった人達も呼んでプチ同窓会みたいなもの企画している。その中で比較的早く自由に時間が取れることが分かっていた私と彼でボードゲームに興じていた。
「……それなら、ここで!」
「ほい、これでこっちの勝ちかな~」
「ぁあー!」
よく空き時間でプレイしていたこのゲームは今なお色褪せず、あの頃のように戻って楽しめる。楽しんでいるのだ、負け越しなのは悔しくない。絶対にだ。
「もう一回リベンジするかい?」
「……いや、これは終わりにしようか、もうそろそろ他の面子もやってくる。これは2人用だしもっと大人数向けのを用意しよう。そっちで絶対に勝つ」
「はいはい、分かったよ~。みんなが来ればもっと白熱するだろうな~」
そうだ、これで負けてもまた次のゲームがある。そこで勝てば良い、みんなの前で高笑いすれば良いのだ。
そう思った矢先、ホームドアのチャイムが鳴った。
さぁ、次はどれにしようか。
「CAST JAPN ギガミック (Gigamic) クアルト! (Quarto!) [正規輸入品] ボードゲーム」
懐かしさと新鮮さと楽しさを合わせて、遊びに興じよう。