手帳
23:59
一日の終わり。そして明日の始まり。
机の上に開いて置いた手帳の今日の予定だったページ、そこに対角線に×印を書き入れる。それがここしばらくやっている習慣。
人の一生なんてもの、まだ青臭い私には遥か遠くの対岸が見えない橋のようなモノにしか思えない。老後なんて霧の先の話。
だから、私自身に分かりやすい形を探した。それが残りの私の残機数。
一日ごとに私は無くなり、今までの記憶を持って新しい私が明日を過ごす。そんなゲームのようなお話。
残りの残機数は二万三千七百四十一。でもこれは何事もなく生を終えた時のみの数字。何かあればこの数値は減少するし、予想もつかないバグで変わったりするかもしれない。そんな不安定なモノ。
まだゲームのような残機数でいったいどんなことが出来るんだろうか。いや、何をしていこうか。
残り、二万三千七百四十。
さようなら昨日の私、よろしく。今日の私。
「CITTA手帳2019度版10月始まり [並行輸入品] (マゼンタ)」
限りがあるから、未だ来ないコトを思考し追求する。